ジャムの瓶の底

イラストのことや漫画やアニメや特撮のことを書きます。自分用の備忘録です。

仮面ライダービルド28話 氷室幻徳の独白を読み解く

 今回は最近視聴している『仮面ライダービルド』の28話「天才がタンクでやってくる」における氷室幻徳の独白を分析してみました。武藤将吾さんの脚本と田崎竜太さんの監督が生み出した素晴らしい場面の片鱗をお届けできればと思います。

 

「強さ」への執念

「俺はお前を倒して、更なる強さを手に入れる。
この国を、強くするために、俺が強くなるんだ。」

責任感の強さが伺えます。それと同時に、強さがなければこの国を守れないという彼の価値観が伝わってきます。彼の「強さ」への執念は、後述するような「理想」への失望があるように思います。

 

「未熟」

「俺は全てにおいて未熟だった。
『どうして軍事力に金をかけない!』
『何度も言っているはずだ、武力じゃ何も解決しない』
『なら、東都市民に裸のまま他国の銃弾を浴びろって言うのか!』
『そうならないために話し合うんだ』
『それが通じる相手じゃないだろう!』」

この場面は戦争が起きている現在の社会情勢が重なる、本当にリアリティがある場面で、悲しいです。パンドラボックスが災厄たりえるのは、人の精神に影響を与えることで対話の選択肢を奪うからだと思います。実際に、第8話では泰山さんに向かって、「親父はスカイウォールの光を浴びなかったからそんな呑気でいられるんだ」と忠告しています。(この場面で「変わったのはお前だろ」と泰山さんに返されるのは、今思うと悲しいですね。幻徳さんの今の状態は本来の姿ではないのだと思います。)3話頃から幻徳さんは軍事力の増強について泰山さんに進言していました。

幻徳さんがここで自身を「未熟」と評するのは、彼がこの時点で泰山さんを説得できなかったことにあると思います。結果として、泰山さんは倒れ、幻徳さんが非常事態に首相を継ぐこととなりましたが、彼はこのような形で首相となることを望んでいなかったのかもしれません。本当は泰山さんを納得させたうえで、自信を持って首相となりたかったのではないでしょうか。(20話でも泰山さんに「話を聞いてくれ!」と叫んでいます。)

 

氷室幻徳の「何者にもなれない」葛藤

「俺は野心だけを頼りに生きてきた。
だが、一人じゃ何もできないクズだった。
だから俺は、
『俺が全てを決める。俺がこの国のリーダーだ!』
自尊心の高い己を
『だったら、誰がこの国のリーダーにふさわしいか決めようじゃないか』
虚栄心の強い己を
『変身』
全てかなぐり捨てて生まれ変わった。」

幻徳さんが葛城に強い執着を抱いているのは、葛城が自分には持っていない科学力、すなわち何かを生み出す力を持っていたからであると思います。それを裏返せば、幻徳さんは「一人じゃ何もできない」のです。彼は「野心だけを頼りに生きてき」た一方で、桐生戦兎や葛城のような何かを生み出す力を持たず、何者にもなれませんでした。「自尊心の高い己」と「虚栄心の強い己」の言葉は、『山月記』の「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」を想起させます。恐らく幻徳さんは「自尊心」が本当に高いのではなく、「自尊心の高い己」を演じることで、せめて自分にできる首相の役割を果たそうとしていたのではないでしょうか。

 

氷室幻徳と劉備 理想への失望

「今度こそ俺はこの国を動かせる力を自分自身の手で掴み取ってみせる。
お前の言う愛と平和など幻に過ぎない。
理想で国は作れないことを俺の強さを以って教えてやる。」

氷室幻徳の「何者にもなれない」という葛藤は、過酷な体験を経て、「自分自身の手」で力を掴み取るという確固たる信念へと生まれ変わりました。常人には耐えられないような苦しみを味わうことで、一種自信がついたとも考えられます。ローグのデザインのテーマが「ひび割れ」であるように、彼は傷つけられることで新しい自分へと変わりました。(それが彼にとって幸福なことであるか否かはわからないのですが…)

 戦兎くんや泰山さんのスタンスである、対話による「愛と平和」(ラブ&ピース)を、自身の名前である「幻」を用いて否定する脚本が巧みです。「幻徳」という名前は、「徳」というポジティブな漢字を「幻」の漢字で有耶無耶にしてしまうような不思議なニュアンスがあります。また、劉備玄徳」という名前から音を取っていると考えられます。

 『三国志演義』は、劉備を主人公として三国時代を描き出す物語であったと記憶しています。劉備は徳が高く、仲間に恵まれた君主でしたが、夢半ばで息絶え、蜀が三国を統一することはありませんでした。このような物語を踏まえて氷室幻徳を読み解くならば、「徳」や「理想」による統治を夢見るも、現実に打ちのめされ、「力」による統治でしか世を救えないと彼は考えるようになったのではないでしょうか。Fateで言う劉備オルタみたいな感じだと思います。

 

まとめ

氷室幻徳の葛城への執着は、「何者にもなれない」という劣等感の裏返しです。彼は恐らく東都を守るために堂々とした首相を演じていたに過ぎず、自己肯定感を持つには至っていなかったのだと思います。内海とブラッドスターク(エボルト)によって、彼は苦境へと追いやられますが、その悲痛な体験こそが、彼を「何者か」―仮面ライダーローグ」へと変身させました。そして彼は、「理想」ではなく「力」がこの国を救い、それを自らが実行せねばならないという信念を背負って戦兎たちの前に立ちはだかります。

 パンドラボックスの影響を受けていない彼がまだ登場していないので、ここからは推測に過ぎないのですが、氷室幻徳の元々の性格として劣等感自体は存在したのではないでしょうか。「野心だけを頼りに生きてきた」という表現は、「優しい子だった」という泰山さんの評価を踏まえると、光を浴びて以降の人生を指しているのだと思います。ただ、パンドラボックスはあくまで闘争心を引き出しただけかもしれません。その結果として、「自分の手で国を守る」という義務感と「力を手に入れたい」という変身願望が表出したということは、本来の人格に真面目さと劣等感が存在したこととほぼ同義とも言えます。このように考えると、泰山さんの言うように「優しい子」ではあったものの、エリートとして生まれ育ったからこその、自分の力では何も得られないという葛藤が以前からあったのだと思います。父である泰山さんは対話による平和を目指していましたが、息子である幻徳さんとまず対話できていなかったというのは、ある意味皮肉な構図なのかもしれませんね。

 以上が28話の感想です。氷室幻徳を好きになって良かったと心から感じられる回でした。素敵な台詞を作ってくださった武藤将吾さん、ありがとうございました…!氷室幻徳の幸せを祈って視聴していきます!

エボルトのことを9割知っている初見のビルド1~14話感想

はじめに

この感想は、ネタバレをある程度知ってしまったうえでビルドを見る人によるものです。そのため、完全所見の感想を求める方や、ビルドのネタバレを踏みたくない方の閲覧を推奨しません。エボルトが気になってビルドを見始めたので、エボルトに関する言及が多いです。ご了承ください。

1話

戦兎くんは「この日をきっと後悔する」って言ったけど、この出会いが運命を変えていくんだと思います。バディの出会いとは大体最悪なので…パンドラボックスが何のためのものかはわからないけど、内乱を起こすタイプの兵器?なのかなあ…まだ謎がありますね

マスターと美空ちゃんは親子なんですね…親子なの…?戦兎くんと万丈の記憶に類似する点があるけど、戦兎くんの方にだけコウモリ男が出てくるんですね ウルヴァリンみたいな回想シーンだ 幻徳さんも光浴びちゃってるけど大丈夫なのかな 火星になんであんなものがあったのか、メチャ気になる〜

エボルトに関する情報をかなり得た状態で見始めているんですけど、美空ちゃんが娘なのは知りませんでした。エボルトはお兄ちゃんがいて娘がいるけど、有性生殖なんですか?怖いよォ!火星は荒れ果てた感じだったけど、パンドラボックスはあるし、文明どうなってるんだ…?

ビルド、ここが謎!

・コウモリ男は誰

ウルヴァリンみたいな回想は何

・美空ちゃんはエボルトの遺伝子を引き継いでいるのか…?

・そもそもエボルトの生態は?

パンドラボックスは何のためのもの?

・氷室さんは元の性格から変わって今の状態になった?

・エボルトの戸籍

メッチャクチャ嫌な予想なんですけど、火星が荒廃して見えるのはブラフで、火星人は火星に到達できるほど進化した生命体の星をパンドラボックスにより内戦状態にし、かつパンドラボックスに寄生してその星を乗っ取る、みたいな生命体だったりしません?

 

2話

美空ちゃんの能力はボトルの浄化なんですね!謎の腕輪もしてたし、謎がある女の子です。意外とクールでした。万丈がずっと悲惨な目に遭ってて辛いです…ハザードレベルって概念が出てきました。成分を抜かれると記憶もなくなるの、謎です…戦兎くんも抜かれた後なの?ヤバいのでは?

iPad曲げるマスターってなんなんですか???人外アピ?????

ディストピアだから死亡の偽装くらいできそうだけどなあ…

美空ちゃんがマスターの子供で、不思議な能力を持ってるってことは、異星人であるエボルトの能力を引き継いでるわけで、だとしたらエボルトは美空ちゃんが生まれる前くらいからこの星にいたのでは?でも戸籍の問題をどうクリアしたんだろう、やっぱり寄生?

 

3話

「見返りを期待したらそれは正義じゃない」と考える戦兎くん、正しいけど心配…子供をネットアイドルにして、その反面学校にも行かせずバイト代も出さないのはヤバくない…!?氷室さんはスタークを知ってる?なんでライダーベルトが当然のように前提として存在するのか…あのパネルは何なのか…

万丈の考え方も間違ってないと思うんだけどなあ。ベルトやボトル自体は何か元からあったのかな?だから敵も仮面ライダーの姿なのかな?美空ちゃんはすぐ疲れて寝るすごい燃費の悪い体質だけど、そんなにボトルを浄化させていいのかな…?ネットリテラシーが〜!!!

子供に顔出しネットアイドルさせるのも学校に行かせないのもバイト代出さないのもみんなエボルトのせい。エボルトはわかっててやってる…

 

4話

密航船から鍋島の家族に会うまでの流れが出来すぎていて仕組まれている気がする 戦兎くんの居場所をなぜマスターがわかったのかもだいぶアレ…幻徳さんの話し方がファウストに似てる。幻徳さんは戦兎くんを泳がしている感じがする。てかなんで引越し業者の服着てるの?殴って奪ったの?

あと3時間もつかな。ファイト!←ムカつく!

おじさん構文エボルトという概念の可能性…?

フルボトルでなぜ万丈も強化されるのかナゾ。人体実験を受けたから?パンドラボックスのパネルをなんでマスターが持ってるんですかね?バイトってなんなのかな(すっとぼけ)鍋島の件、個人的に消化不良というか家族がかわいそう…モヤモヤ…

鍋島の件、戦兎くんがやった対応は100%正しいんだけど、言いくるめたにすぎない感があってつらい

フルボトルを集めることでパンドラボックスは進化を発揮すると思うんですけど、スマッシュって何…?もしかしてパンドラボックスノアの方舟?お前たちは生き残ってヨシ!みたいな?でも戦車は生き物ではない…文明の蒐集?

 

5話

マスターが昔パンドラボックスを回収し、手を出した宇宙飛行士で、美空ちゃんが拐われた際にファウストたちからパネルを回収したと言ってました。

「俺は虫ケラみたいに人を殺すファウストを許せない」←???

でも「お前にビルドをやってもらったかった」は本質情報なんだろうなあ

タツヤの件でわかったけどブラッドスタークはナチュラルに虚言を吐いてくるので信頼がなりません。スタークは仕草がセクシーだし、わざと攻撃を受けるような余裕があります ハザードレベルはスマッシュの侵食度合いに使うことだと思ってたけど、攻撃にハザードレベルって言葉を使うってことは…?

万丈はかなりアグレッシブで、勘が良すぎて事態をかき乱してしまいますね…あとOPの美空ちゃんの腕輪と緑色の目が不穏だよ!てかファウストは美空ちゃんのことを知って狙いにきたわけで、ファウストとエボルトはどういう関係…?てかマスターのコーヒーがまずいフリは嘘でしょ!

エボルトのついた嘘ってマジでナチュラル虚言というか、ただ不快にさせるだけの嘘というか…怖…ソウルジェムを濁らせたいんですか…?「お前にビルドをやってもらいたかった」って何…?

エボルトめっちゃファウストの施設に入り浸ってません!?全部茶番では?ナイトローグって被害者では???

「身を隠してる」美空ちゃんをみーたんとしてYouTube活動させるな!!!

 

6話

幻徳さんがスタークの目的を何一つ管理できてないの、かわいそう てか氷室さんの「君を超える逸材」の「君」って誰?エボルトなの…?戦兎くんのお人好しな部分は孤独から来ているって解説するマスターと、戦兎くんに与える情報を管理してるスターク、同一人物なのイヤだ!育成RTAじゃん!

戦兎くんは「なりたい姿」を演じていて、そこから得られる感情は本物だってマスターは言ってるけど、あれは自分のこと言ってるんじゃないかなあ

エボルトは「マスター」を演じて得られる感情を楽しんでるのは…?

「ネビュラ」は星雲を意味するけれど、宇宙由来のガスで、そこから人間がスマッシュになって、それをボトルに入れて美空ちゃんが浄化してフルボトルができる スマッシュは家畜…?フルボトルは動物だけでなく戦車や漫画も含むから、パネルは文明と生命を運ぶノアの方舟なのかな…

記憶喪失のバンドマンが天才物理学者なのおかしくないですか?

夜は焼肉っしょ!

 

7話

葛城の日誌が1ヶ月間途絶えていて、葛城がスマッシュの研究に関わっていて、ファウストを作った…らしい… 幻徳さんはスタークに邪魔されるし、報連相なってないし、縁切ったほうがいいですよ。パンドラボックスのせいで土壌が荒れ果てるってヤバくないですか?侵略のための兵器だ…

階段を滑るスタークさんが良かったです。北都が社会福祉頑張ってるって言ってる割に教育も行き届いてないし限界なのを感じます…北都だけに南都してでも(最悪)

 

8話

面白かった!スタークが面白いという理由だけで万丈にUSB渡したの、幻徳さんがかわいそうすぎて面白かったです。邪悪なジャムおじさんだ…幻徳さんが「なぜ」「何」ばっかり聞いてるのマジでかわいそう…戦兎くんが卵焼きを食べて泣いてたのがなんか意味深でした。記憶ないんですよね…?

葛城のお父さんがパンドラボックスの責任者で、彼の人生を狂わせたのはマスターで……葛城とお母さんとの不器用な関係が切なくてよかったです。戦兎くんはどんな真実でも受け入れる覚悟だって言ってるけど、本当に大丈夫でしょうか

万丈のハザードレベルが戦兎くんより低くて、怒りによって上昇するっぽいのが気になりました。エボルトは戦兎くんのストレス管理をしてそう

 

9話

すごく良かった!

序盤の戦兎くんの台詞は万丈に対して酷だなあと思ったけど、戦兎くんの想いや、万丈の優しさや、美空ちゃんの切ない背景が分かってすごくみんなのことが好きになりました。美空ちゃんと万丈が制服を着てお出かけするの切ないです

スタークが美空ちゃんを狙われるとガチギレするのが何かこう屈折したものを感じます。幻徳さん肌白い…ビニールの幕を通して会話する幻徳さんとスターク、演出が良い…おバカだと思ってたフリーアナウンサーが演技だったのが悔しいです。難波重工胡散臭いよ!やっぱ葛城さん生きてるじゃん!

難波重工って葛城さんのお父さんが勤務してた場所で、お父さん口封じで殺されたのでは…?美空ちゃんは10年前のパンドラボックスのときに昏睡して、7年間寝てて、目覚めたら腕輪があって、ファウストのもとで利用されていた。そして戦兎くんと出会って、機械を開発してもらって…ええ〜気になる…

キラメイのメイン監督の方が担当してるだけあってすごく演出が良かった ありがとう山口恭平さん…

 

おまけ エグゼイド44話

一緒に見てる人に教えてもらったのですが、ここにもそういえばビルド出てましたね!葛城と同じ台詞を戦兎くんの声で言っていて、エグゼイドの成分を取りに来たって言ってます どういうこと…?平和主義者が必殺が出るフォームで襲いに来ないでください!

 

10話

またしても何も知らないナイトローグさん…万丈がハザードレベル3を超えて強くなりました!ドラゴンと鍵のボトルが何やら強力そう…エボルトが人の顔を変えられる能力を持ってるのが超怖いです これで謎が深まってしまった…難波重工の人は戦争が起きてほしいみたいですね

盗聴器は誰が仕掛けたものだったのかな?葛城か?と聞かれて否定も肯定もしないエボルト本当に性格が悪くて好きです。万丈と戦兎くんがお互いに信頼し合ってるのがすごく良かったです 「お勤めご苦労さん」「いただきにまいりました」も良き…セクシー…

 

11話

ブラッドスタークはcv金尾哲夫さんが標準装備のライバル役として設計されたんですね!スタークがあっさり人を消すのすごく好きです…ナイトローグさんはスタークと相変わらず意思疎通ができてない…不憫…紗羽さんは難波重工側のスパイだけど、幻徳さんは難波重工に騙されてないかなあ

内海さんは幻徳さんのお父さんが倒れた時笑ってたけど、幻徳さんは倒れたお父さんに関してはびっくりしてたっぽい?し、内海さんと幻徳さんは別の陣営で、紗羽さんと幻徳さんも繋がってなくて、幻徳さんって孤立してない…?

 

12話

紗羽さんの過去がわかりましたね!最後は戦兎くんたちの輪に入れてもらえててホッとしました…東都はかなり難波重工の毒牙にかかっていますね 内海さんは東都のために頑張ってたけど、幻徳さんたちに切り捨てられる形になりましたね。

水落ちは…生存フラグ!

スタークの足技がブレイクダンスみたいでカッコよかったです!内海さんが「同じ籠の中にいる」って言ってたけど、誰の籠なんですかね?道を誤るという話に列車のフォームを重ねるのがうまいなと思いました

 

13話

「おかえりって言うの…好きなんだよ。なんか、家族って感じがしてさ。」クサい芝居がうまいエボルト、嫌!!!泥棒の風呂敷を使うのもすごいヤダ!!幻徳さんがかわいそうです。戦兎くんを拾った日にビルドにしてたのだとしたらRTAがうまいなって思いました…

 

14話

偽りの思い出ラッシュ!「今の俺を作ってくれたのはあんただ」という言葉のように、今の戦兎くんを作ったのも、立ち直らせる言葉を授けたのも、エボルトなんですよね…だからこそ因縁のない万丈が立ち向かう展開も良かったです。戦兎くんの巣立ちを祝いたいのですが、エボルトにとって大切なのは戦兎くんたちの「成長」なの、ヤダ!!

エボルトはどこまで行っても底が見えないのが怖いですね!美空ちゃんのボトル浄化のために「家族」を作ったのが血も涙もなさすぎて最高です…

いわゆる「近代家族」とは、産業化に伴って、片方に子育てを片方に労働を担わせ、労働力の再生産という責務を果たすように構成された概念とも言えます。「家族」の中では「愛情」が重んじられて、「愛情」のためなら無償でも頑張れるはずだという期待が社会から課せられてるんですよね。(この家族という概念や無償労働は今すごく問題が指摘されているのですが)そういう文化をエボルトは「愛情を利用して他者を操る道具」として用いたのが、最高の人類への皮肉…

正体が分かっても態度が変わらないエボルトが好きです。ボトルが揃うことと戦兎くんたちの成長って関係あるのかな?エボルトは何をしたいんだ…? 

ルナティックを布教された人のTIGER&BUNNY 16話感想(Twitterまとめ版)

※見ていた当初の感想を、誤字脱字を訂正した以外にはそのままにしてまとめています。そのため、勘違いや的外れの予想が含まれます。設定資料集などの内容と矛盾するものもあると思います。ご了承のうえで、楽しく読んでいただければ幸いです。

※16話は個人的な体験と重なる部分があり、感想がかなり主観的です。ご注意ください。

※より詳細な16話に関する考察は以下のリンク先の記事で行っています。当記事は主に16話を見たときのツイートをまとめたものです。

タイバニ16話感想 ユーリ・ペトロフという熾烈な人 - ジャムの瓶の底 https://kokage-libra.hatenablog.com/entry/2022/01/17/171248

 

 

16話

(見る前の個人的予想)

・ユーリさんはバーナビーくんと同じように一家を事件で亡くしている?

・その上、その犯人が死刑にならない、あるいは司法で裁けなかった?

・以上の理由で殺人者を憎むようになった?

ネクストになったタイミングは?

・バーナビーくんは火事がトラウマ、ユーリさんは?

・バーナビーくんの家が燃えていた件にユーリさんが関与してないといいなと思いました ジェイクの能力が炎?→ビーム?→バリア!ってなかなか分からなかったのも考えると、あの火事にも何かありそうですね…

 

(さっきの予想はちょっと外していたのが恥ずかしかったので一回消したんですけど、解決したわけではないので残しておきました…)

呟かなかった一番あってほしくない予想として「虐待」があったんですけれど、本当にそれが当たってしまって、個人的に虐待は一番許せないことなのですごい今ショックで…。

(虐待に関する詳細な感想は、別の記事でお話させていただきました。)

 

ユーリさんの希死念慮は相当強いと思っていて、「タナトスの声を聞け」で「囁きはまだ届かない/まだ遠い」を「(誰が一番呪わしいのかという問いに対する)囁き」じゃなくて「(自分に死ぬべき時が来たという死の神からの)囁き」って解釈すると、本当に早く人生が終わってほしい人なのかもなあって………。

あれだけ殺人者を狩り尽くすことを使命としていても、自分にひどいことをしてくる母親を手にかけることはできないのが彼の責任感の強さであり優しさであると同時に、家族に支配・搾取されてきた人生の表れなんですよね…自分で介護しなくていいんだよ………。

彼は本当に父親に繋がる全てを忌避している(酒・姿・ヒーロー)けれど、彼もまた正義にしがみついた父親の生き方をなぞっているのが辛いです。彼の信念は社会への不信から来ていると私は予想してたんですけれど、社会のブラックボックスである「家庭」で虐げられたことに起因していたんですね…

本当に司法が裁くことができないのは、彼にとっては殺人者ではなくて隠された家庭の中の暴力だったのかもしれません。レジェンドの功績の裏で行われていた暴力を、マスメディアは映さないし、福祉は見つけられないし、司法は裁けなかった…。

13話でユーリさんが「やはり悪は滅びる宿命だ」って言っていたり、テレビの放送をずっと見ていたりしたのは、子供の頃にテレビで見た自分の父親のようなヒーローたちを信じたかった、思い出を否定したくなかった…そういう祈りが本当はあったのかなあ…。

彼が救われてほしいです。本当に そう祈ってます。

 

(女性を狙った連続殺人犯をルナティックさんが仕留めるのは、立場が弱い母親に暴力を振るった父親への怒りであり、その母親を助けられなかったことへの彼なりの償いなのかもしれないと思いました。だからこの回で裁かれる犯罪者としてものすごく意味のある描写だったと思います)

 

ユーリさんは片田舎に引っ越して一人暮らしして時々子供たちのための寄付をしたりするくらいの穏やかな人生を歩んでほしい…。父親の思い出があちこちに残る残酷なあの街で自分のことを大切にしない人を世話して生きなくていいんですよ。もう十分苦しんだよ…いつか救われますように…。

自分はX-MENやアメコミの映画が好きなので、タイバニの作中世界も差別や陰惨な事件があってかなり生きづらい社会だと思います。ヒーローがすごく優しくて素敵な人たちだからこそ明るい雰囲気があるけれど、語ることのない人々の声を拾ってみると、シュテルンビルトの暗部が見えるかもしれません。

タイバニが好きな方にX-MENは超おすすめです。ファースト・ジェネレーションとフューチャー&パストだけでもぜひ…

ユーリ・ペトロフさんは速やかにしかるべきケアを受けて穏やかに一人暮らししてほしいです。本当にお願いします

OPで「賞賛なんてされなくたって」って歌詞のところで、賞賛を求めて八百長までしたレジェンドを嫌い、孤独に戦うルナティックさんが出てくるのが辛いよね…って一緒に見てる人が指摘してて心臓がギュッてなりました

 

これは気のせいだといいんですけど、DVをされている頃の彼の母親の口紅はコーラルか赤っぽい色なんですけど、衰弱している現在の口紅の色が紫っぽい色味に見えます ルナティックの唇もに彩られているので、もしかしたら父親からつけられた傷と母親の象徴の口紅を背負ってるデザインなのかなあって…

 

1クールの頃はジェイクを絶対的な悪役だと思っていたんですけれど、2クール目になるとシュテルンビルトの歪みが見えてくるようになりました。あの街のシンボルであるレジェンドも虚飾に満ちた存在で、この欺瞞と悲しみに満ちた街を本当にヒーローが守り続けるのが正しいのか、わからなくなってきました

これまでヒーローが犯人確保のために、できるだけ身体を傷つけないように振るっていた力(これも言ってしまえば暴力かもしれない)を描いてきたタイバニが、16話で人から人に振るわれる、傷付けるための暴力を直接的に描いたのは、逆説的にヒーローはどうあるべきか描いてるのかもしれないと思いました

自分はもうレジェンドを許容することはできなくなってしまったんですけれど、あのとき少年の虎徹さんに希望を与えたヒーローもまたレジェンドだったことを胸に刻んで見ていきたいです

炎って「火の鳥」みたいな再生のイメージがあるし、実際ファイヤーエンブレムさんの衣装はフェニックスがモチーフになってると思うんですけど、毎回マントを燃やすルナティックさんにとっての炎は自分を火刑に処する炎だからポジティブな意味にはなり得ないのかなあ…って…

ファイヤーエンブレムさんの炎よりもルナティックさんの炎の方が温度が高いのは、優劣とかではなく、自分ごと燃やし尽くそうという絶望から来た覚悟の強さゆえに危険なまでに温度が高くなっているってことなんですかね……それだけ自罰的な感情が強いということなんでしょうか……

偉大なるレジェンドの血を引いているからこそ強力なNEXTの能力を発現させられた可能性も高いと思います 彼がルナティックとして活動できる理由は忌々しい血筋があるからだというのはすごく皮肉で辛いです

 

ユーリ・ペトロフの母親が息子に対して行っていることを搾取や支配だと思ってしまうのは偏った見方かもしれないけど、少年期から今に至るまで息子を介護で家に縛り付けて二人きりにして罵声を浴びせることを正しいとは自分は思えなかった…

 

16話を見た後

(16話を見てから数日間体調を崩してしまって、しばらくタイバニを見れませんでした。ショックだったので…。)

ユーリさん推しの方ってこれをどう乗り越えたんですか…………………………………………

 

ユーリさんが一番嫌悪している殺人者は自分自身だったってそんな残酷な予想を愚かな自分が立てられるわけがなかったんですよ………………

 

ユーリさんに鬼束ちひろさんの「書きかけの手紙」を聞いてほしいって思ってしまった……真面目すぎて「まとも」であろうと正しさに固執して道を踏み外していく悲しい人が好きだから、鬼束ちひろさんの「書きかけの手紙」を推しに添えたくなる。いい曲です

 

一番社会的支援が必要なユーリ・ペトロフが司法局に勤務しているのが辛くて心が千々に乱れる…

 

閑話休題(過去に出たキャラ香水の話です)

ローズと紅茶の柔らかな香りが人知れず抱える怒りや闇を宥めるように優しくも切なくふっと香るユーリ・ペトロフが司法局に勤務していても平和にならない街はなんなんですか?「ローズと紅茶の柔らかな香りが人知れず抱える怒りや闇を宥めるように優しくも切なくふっと香る」は「ユーリ・ペトロフ」を導く枕詞なので……永遠に呼び続けたい日本語……

 

深夜アニメを見てると、自分がいかに普段見ている子供向け作品の表現で心を守られているか痛感しました 多様な表現が許される深夜アニメだからこそ心が強く動かされる面もあるけど、子供向け作品って心を守ってくれたんだなあ

 

今年になってタイバニを見るまでの人生で1ミリもユーリ・ペトロフの存在について知る機会がなかったことは、すごいもったいないことではあるけれど、ネタバレを踏まずに済んだ点では本当にありがたいことだったなあ…

 

ユーリさんは育ちが良さそう〜バーナビーくんと同じで事件で家族を失ったのかな〜殺人を憎んでそう〜という自分の序盤の感想が全部返ってきてズタズタにされる

 

人間らしく生きる権利を剥奪された人間が死ぬことによってしか人間性を取り戻すことができないのやめてください。推しには生きて償ってほしいです

 

(Adoさんの「ギラギラ」を聞きながら)ギラギラの「蛍光色の痣」「火を噴いて」私は夜の狼」で推しのこと考えて泣きそうになる。ギラついていこう!って推しに祈りたいけどユーリ・ペトロフがルナティックとしてギラついて生きる限り永劫に償いきれない罪を犯し続けることになるのでもう何もできない…

 

復讐のためだけに生きていたバーナビーくんが重責から解放されて朗らかに笑うようになったのが大好きだから、ユーリ・ペトロフにも穏やかに微笑んでしまうような日が来てほしい……

 

ユーリ・ペトロフが生き延びたからルナティックがいて、彼の母がいるわけで、あの日もし彼の父が妻を殴り続けて命を奪っていた可能性とか、ユーリ・ペトロフがもっとひどい傷をつけられていた可能性とか、人生を諦めていた可能性とかはあるんですよ。そうならなかっただけで…

最後の最後にしたことが息子の顔を引っ掴んで顔に火傷を残すことだったのが、あの父親のどうしようもない救いようのなさを表していて 自分の息子にも手を上げられる人だったんですよね。レジェンドは…

 

幻覚

ユーリ・ペトロフが美味しいものを食べるだけの個人アンソロ出すぞ 許さんぞ

辛い気持ちになりたくないのでちょっと楽しく暮らしているユーリ・ペトロフの可能性について考えていたい。許してください

カフェインが好きだし甘党だから絶対ユーリ・ペトロフはスタバに足繁く通っているし期間限定のフラペチーノを欠かさず飲むし美形すぎるお客さんとして噂になってる…………

ユーリ・ペトロフが毎日のお化粧にちょっとこだわるようになってデパコスの売り場に時々足を運ぶようになった世界線

全てのトラウマを克服して最強になったユーリ・ペトロフが美容系Youtuberになってカバー力の高いコンシーラーやファンデーションをちょっと楽しそうに紹介する動画をアップしている世界線について夢を見てもいいですか…………………

彼にとってのお化粧が悲しい傷痕を隠すためのものじゃなくてちょっと楽しいものとかになるような可能性が少しでもあれば……それを夢見ていたい……

 

雑感 彼の中性的な見た目について

自分は男性みたいにかっこいい女性や女性みたいに美しい男性みたいな、中性的・両性的キャラクター及び人物が好きなんですけど、ユーリ・ペトロフというキャラクターの造形が、単なる中性的な美形にとどまらない意味を持っていたことに何か自分は反省させられるような気持ちがあって…

なんかこう、ユーリ・ペトロフの存在を愛しているし肯定したいけれど、彼が受けた被害や彼の犯した罪を全部肯定したいわけではなくて…だから彼の中性的な見た目を単に美しいものとして受け止めたくはなくて…

悲壮な運命と使命を背負った今のユーリ・ペトロフが大好きだけど、彼の幸せを思うならこうならないでほしかったし、辛い思いをする子供が少しでも救われてほしいみたいな…そんな気持ち…作品を通して社会に祈ってしまう…

中性的装いや異性装のキャラクターを「そうしたくてそうしているもの」として最高に愛するときと、「そうしたくてそうしているわけではないもの」として受け入れなければならないときとがあり、それを見極めることを真剣にやっていきたいなあという話でした

オリオンをなぞる」を聞きながら

元気になりたいからオリオンをなぞるでも聞くか…ってApple Musicをつけたらヒーローのみんなが歌ってるバージョンが出てきて美しすぎて聞きながら泣いてます ありがとう……

ユーリ・ペトロフにとって「ナイフを持つその本当の意味」を分かってくれる人は一人もいなかったんだなあ…

 

おわりに

他の記事でも少し触れたように、自分にとって虐待とは現実と地続きの問題で、だからこそ16話はすごくショックでした。これは物語の中の出来事だけれども、虐待が少しでもなくなるような社会を目指したいです。本当に、そう思いました…。

ルナティックを布教された人のTIGER&BUNNY 2クール目感想まとめ

※見ていた当初の感想を、誤字脱字を訂正した以外にはそのままにしてまとめています。そのため、勘違いや的外れの予想が含まれます。設定資料集などの内容と矛盾するものもあると思います。ご了承のうえで、楽しく読んでいただければ幸いです。

※16話の感想が長くなりすぎたので別の記事として投稿しています

 

14話

カリーナちゃんがとってもかわいい回でした!ネイサンさんが人の心の機微に敏感なのが素敵です…。バーナビーくんの虎徹さんへの信頼と、虎徹さんの人の良さ(と鈍感さ…?)が表れている回でした。熱心に応援しに来るアントニオさん、優しい…。虎徹さんの能力の暴走が心配です。暴走は特撮あるある…。

(ただ、カリーナちゃんが楽屋を荒らされて勝手に口紅を使われたりされるのは、ギャグとして見るには悲しすぎたと自分は感じました。カリーナちゃんにひどい目に遭ってほしくないです…幸せに暮らしてほしい…)

虎徹さんとバーナビーくんの距離がぐっと縮まって、バーナビーくんの表情が柔らかくなった気がします。でも初期の仲を聞かれたときはお互い目を合わさずに喋ってたのが面白かったです…。OPのテーマが「孤独」から「夢」に変わった感じがします OPのユーリさん美しいです…。

13話でユーリさんがヒーローの勝利を見届けて笑っている場面を、最初は(あなたがやってることも相当悪っちゃ悪ですよ!)と思ったり、素直じゃないなあと思ったりしてたんですけど、「ヒーローの正義を、良心を信じることができてよかった」って安堵も含まれてたら辛いなあってなってきました…。ユーリさんのルナティックとしての活動の根底にあるのは、悪人を裁ききれない社会の法制度やヒーローへの不信だと思うので、「信じられてよかった」の笑みはかなり重い意味があったのかなって思いました…。

(15話のスカイハイさん回怖いです。スカイハイさんには笑顔でいてほしいよ)

バーナビーくんはカメラの前に立つ時や偉い人と話す時に、虎徹さんと比べると顕著だけど、すごく礼儀正しくて慣れてる印象を受けます。それは育ちの良さもあるかもしれないけれど、幼い頃に両親を亡くしてから一人で生きていかなければならなった、早熟な子供の姿なんじゃないかなぁって思ったりします。

彼が人前に出る時に「きちんと」していることは、バーナビー・ブルックスJr.の名前を背負っている責任の象徴でもあり、幼い頃から他人の色んな視線に耐えてきた彼の過去を偲ばせる姿なのかなあって思いました。ワーカホリック気味ですし、プライベートも楽しく過ごせるように元気になってほしいな…。

少年の頃の憧れを捨てずに戦う虎徹さんと、幼い頃から大人として振る舞わざるを得なかったバーナビーくんのコンビは、お互いの凸凹を埋めるいい組み合わせなのかもなあって思いました。

 

雑感

たぶんユーリさんって、もしもバーナビーくんが虎徹さんに出会えなかったらどうなっていたか…っていうのを示すような立ち位置にあると思うので、本質として孤独なんじゃないかなぁって思ったり した…。

ルナティックさんの顔を最初は目を見開いて笑っているものとして認識してたけど、今見ると口角は下がってるし憤怒の表情に見えます。不思議…。今ルナティックさんのデザインを見直してたんですけど、緑の線を目で追うと笑顔に見えるようになってるんですね。ダークナイトのジョーカーみたいに、しかめっ面の口角を無理やり引き裂いて笑顔にしてる感じで、つらい…。

ルナティックさんは、殺人者は死を以て償うべきであると考えていて、恐らく彼自身もまた罰されるべきであるとどこかで思ってるかもしれません。その矛盾があるから、狂気の名と仮面を借りて「正義」を執行しているんだと思います。彼の最終目標は、悪人がいなくなった世から自分も去ることなのかなあ…。

ルナティックさんは存在自体が自己矛盾を起こしている手詰まりの状態なんですけど、作品が掲げる虎徹さんたちの倫理は「悪人が受けるべきは死の罰ではなく法による裁きである」だと思うので、彼が死なないといけないようなことはあってほしくないなあ…。生きて償ってほしいよ…彼は望まないかもだけど…。

8話で虎徹さんが「俺の正義はな、お前みたいなバカを捕まえることだ!」ってハッキリ言っているのは本当に大切な場面だと思います。ヒーローの仕事は、悪人を捕まえて司法に引き渡すことであって、暴力で懲らしめることじゃないので…その司法に携わる人が私刑を行なっていることが悲劇なんですけど…。

 

15話

バーナビーくんが1位になるということは、スカイハイさんが1位でなくなるということなんですね…。スカイハイさんは今までどんな仕事も愚痴一つ言わずにこなして、夜もパトロールしてたんですね…。いつも笑顔の彼がジェイクの件もあって自信をなくしていたのが辛いです。市民は恩知らずだよ!!!

スカイハイさんにとって、順位そのものよりも、皆の期待に沿えないことが悲しいっていうところに彼の優しさが溢れてて大好きです。

女子会トリオがかわいかったですね!一緒に見てた人の受け売りなんですけど、デートの時には手を繋げなかった彼が、戦闘のときには手を繋いでいるのが皮肉で辛いです…。

スカイハイさんは孤高のキングオブヒーローで、彼の弱音を聞いた人はもうこの世界に誰もいなくなってしまったんですね…。個人的には、シスちゃんとの対話は彼女の瞳に映る自分自身との対話であり、彼は自分自身の力で立ち上がったのだと思います。空を高く飛ぶ彼の姿は最初から最後まで孤独でした…。

スカイハイさんは完璧だからこそ、燦然と輝くヒーローの象徴になれるのだけれど、結果として彼は一人で生きていける人になってしまったんだと思います。それは彼の強みだし、彼は不幸だと思わないだろうけど、寂しいなあと思いました…。

虎徹さんの能力の減退もすごく心配だし、ベテランとしての大きな悩みだと思います。心配…。

15話は演出が細やかでとても好きな回でした。アンドロイドの彼女に手渡すのが知恵の実のリンゴであったり、砕け散ったシスちゃんの身体が月から流れる涙のようであったり、すごく美しい回でした。好きな人を待つ幸福の絶頂で物語が締めくくられるのが残酷で、落ちるところを見せないのが素晴らしいです。

スカイハイさんがほとんど自我を持たないアンドロイドのシスちゃんに惹かれたのは、彼は気づいていないだろうけれど、きっと鏡写しの彼の心が美しいからなんだと思います 彼は燦然と空に輝く孤独な一等星で、空を飛ばない彼の嘆きを我々が知ることはないという物語の終わり方が大好きです…。

「スカイハイさんがジョンを飼っているのは、帰るべき家と守るべき家族を作ることで、ヒーロー業の傍らで生活を疎かにしないようにするためでは」って解釈を聞いて切なくなりました

(15話でスカイハイさんがシスちゃんを好きになったのは、キングオブヒーローではないキース・グッドマンを見てくれたからなんだ…………と今更気づいて辛くなっていた……)

 

16話オリオンをなぞるHEROver

長すぎたので別の記事になりました。

「ナイフを持つその本当の意味が あなたにもし もしわかるのなら すごく嬉しいんだ」の歌詞がバーナビーくんから虎徹さんへ向けた祈りなんだなあって思って目頭が熱くなりました ヒーローたちの歌声が明るくて希望に満ちてて、あの街を照らす星々なんだなって思いました…

タイバニ16話はPTSDのフラッシュバックの症状の描写が非常に克明で、トラウマを疑似体験しているような感覚になる方もいらっしゃると思います。(自分は体調を崩しました…)なので、勧める際に暴力・虐待・依存症・介護問題が出てくることを前もって伝えるのはアリだと思います。

16話は現実社会に存在する問題を鮮明に描いているだけに、辛い記憶が蘇る方もいるかもしれません。無理して見ないのが大前提ですが、続きが見たくて元気が欲しい人には、オリオンをなぞるHEROverがオススメかも!

休憩もしっかり取ったので続きを見ていきます

 

17話

一緒に見てる人の指摘なんですけど、チャーハンしか作ってない虎徹さんの1話の部屋が酒瓶と缶でぐちゃぐちゃになっていて、あの頃の虎徹さんは実はセルフネグレクト状態で限界だったのではないでしょうか…。虎徹さんはバーナビーくんに出会ってなかったらどうなってたんでしょうか…。

クールに見えるバーナビーくんの方が虎徹さんに心を開いていて、実は明るい虎徹さんの方が感情を語るのが苦手で一人で抱え込んでしまう…という構図が見えてウワーッてなりました…バーナビーくんの「1人でも大丈夫」は気遣いで、彼は虎徹さんを頼りにしてるんですよ!

16話と17話を比較すると、ユーリさんと虎徹さんは「自分の選択によって大切な人を失ったため、その人にかけられた呪い(祈り)を背負って引き返せなくなった人」という点で似ていると考えることもできるのでは…「強い男になるんだ」と「どんなときでもヒーローでいて」は祈りであり呪いなのでは…

バーナビーくんが虎徹さんに対して感情表現豊かに接しているのは、「対等に接することができる親のような存在」だからなのかも 両親が幼少期に亡くなって、マーベリックさんにはきっと気を遣ってきただろうから、素直に気持ちを伝えられる虎徹さんには「頼ってほしい」と思ってるんじゃないかな

対照的に、虎徹さんは楓ちゃんをまだ幼い子供として扱ってしまったように、バーナビーくんを「守らなければならない子供」と見てるのかも だから自立を認めて頼ってほしいバーナビーくんとぶつかってしまう…

二人が抱える葛藤である、「自立して親との新たな関係を結びたい」という親子関係の進展や、老いに伴う周囲との関係・キャリアプランの再構築がうまくいかなかったのが、時間の止まったユーリ・ペトロフの家庭の姿だと捉えられなくもないと思います…

 

18話

ジェイクが真犯人ではないという証言とタトゥーがないという事実が出てきました 7話の超高濃度酸素カプセルの中で見た夢で、バーナビーくんは犯人の顔が見えそうになるところまで来てるんですけど、そのカプセル自体が怪しいということはないのかな…?

7話を見てると、マーベリックさんがわざわざ視察に来て二人にカプセルに入るよう命じていたり、右手を背中の後ろに隠して立っているふうにも見えたり、疑う余地はありまくる気がします ミスリードであって欲しいけど…

辛い目に遭って困っているときに、悪い人(クリームちゃんにとっては悪い人でなくても)しか手を差し伸べてくれなかったというのは、社会の責任だと思います…楓ちゃんの家族のようになんとかしようとしてくれる人たちにNEXTの子供が恵まれるとは限らないし、これから楓ちゃんもどうするんだろう…

楓ちゃんのコピー能力って、差別を恐れて能力を隠しているNEXTを炙り出しかねない能力なので、彼女がNEXTからもそうでない人からも恐れられてしまうのではないかとすごく不安です…好きで能力を持って生まれてきたわけじゃないのに…物語の鍵になっていくのかなあ…

11話でマーベリックさんは「彼の全ては、この時のためにあったと言っても過言ではありません!」とまで言ってるけど、PTSDのバーナビーくんをテロに屈しない精神の象徴として祭り上げるのは、幼馴染から預かった大切なお子さんなのに割と容赦がない気がしてきました 誤解であってくれ

 

19話

ボロボロになっていくバーナビーくんが見てられないくらい辛いです…バーナビーくんが虎徹さんを拒絶する言葉を吐くときに無理矢理強がってる声を出してる感じがして悲しかったです。彼は子供時代から肩身の狭い思いをしてただろうから、虎徹さんの配慮や遠慮がショックだったんじゃないかな…

マーベリックさんは本当に黒幕の人でした…やたら手を隠す癖も後ろめたさの象徴なのかな…記憶を塗り替える能力は強力ですね…1話から徹底的に描かれた商業主義的なヒーローTVが抱える問題が一番色濃く出た回でした。バーナビーくんの人生は「悲劇」として仕立て上げられて消費されてたんですね…

親代わりの存在・女性の命を奪った・子供の人生を搾取した、で役満なのでルナティックさんが狩りに来そうですね……マーベリックさんは差別をなくせると思ってこの舞台を仕込んだけど、結局差別は根強く残るし、そのテレビの裏で傷つく人もいたわけで…

でも差別されてきたマイノリティが差別をなくそうとしてもがいて、疲れ果てて正しい道から逸れれば逸れるほど、差別と分断が加速していくのは本当にどうしたらいいのかなあと思いました 地道に頑張るしかないっていうのも、虐げられてきた人に残酷じゃないかなあって…

ゲームのデトロイトで、平和的に差別をなくそうとしてもおびただしいほどの同胞の血が流れたのを経験したので、暴力に訴えかけない形で平和を訴え続けることがどれほど過酷なことなのかをやっぱり考えたりしちゃいました…

ミッシングリンクの歌詞が19話の後に響いてきます。破れた記憶のページは奪われてたし、マーベリックさんの脚本に踊らされていたヒーローたちは「物語の僕ら」なんですね…

 

20話

コーヒーを飲まない場面がコントみたいでちょっと笑いました。迷探偵虎徹さんだ…

サマンサおばさんにはもう会えないんですか…?マーベリックさんは目的のためなら命を奪うことに一切の躊躇いがないのが、隙がなくて怖いです…味方だったヒーローが脅威として立ち現れるラストに肝が冷えました…

予告で美しすぎるユーリ・ペトロフが出てきて声にならない悲鳴が出ました。

予告時点の予想でしかないけど、あの報道を見てすぐに駆け出さずに、情報を精査する彼が本当に本当にダークヒーローらしくて大好きです…彼がこの街の希望になってしまう…でもこれ以上彼に罪を背負ってほしくないです…

バーナビーくんの改ざんされた回想でルナティックさんが出てきたときは「そこは関係ない!!!」って確信を持って思ってしまったし、OPでバディがルナティックさんを攻撃するシーンも「もっと戦うべき相手がいる!!!」ってなるし、この街に疎外された彼にしか現状希望が残ってないの気が狂いそう!!

楓ちゃんが事実でないとはいえ父親が悪いニュースで報じられてしまっていることにはすごくショックを受けるだろうし、虎徹さんの築き上げてきた信頼などの社会的生命が脅かされているのはすごく打撃だし、鏑木家が心配です……

 

21話

ギャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!ユーリ・ペトロフ〜〜〜〜!!!!!!!

頼もしい背中!見返り美人!手が綺麗!爪が綺麗!髪が綺麗!まつ毛が長い!顔が綺麗!勘が冴えてる!この街の希望!

その瓶に入ってるのははちみつなのかお砂糖なのか牛乳なのか教えてくれませんか………

敵として現れたスカイハイさんは相変わらず裏表がないし「司法の手に!委ねるといい!カークホー!」がなんだかかわいくて気が緩んでしまいました。ジェットパックの炎がスーツに照り返してるのもマントのひらみも強力すぎる風も最高すぎて特オタの心が燃えました…

ルナティックさんの手の作画やマントの燃える作画がすごく良かったです…ボウガンを構えた右手とは反対の左手の人差し指が伸びてるのがすごくスーツアクターの魂を感じるような素晴らしい所作でした…不気味に振り返ったり、右手の人差し指を口元に持ってきたりする動きが最高に美しい…ルナティックさんが法律の文章みたいに回りくどい話し方をするのが素敵で面白かったです。

真実を知った楓ちゃんが状況を変えるのでしょうか…!ベンさんとの会話がアツかったです。昔のヒーロースーツが役に立つのは初期フォームが終盤に出てくるのと近いアツさを感じます

一緒に見てる人の感想で、21話は赤い月が出てる夜じゃなくて曇天だからルナティックが狂気(lunatic)じゃないのかもっていうお話が出てきて、素敵な解釈だなあって思いました

ルナティックさんが虎徹さんの味方をしてくれたのは、虎徹さんが今まで自分なりの正義を彼との対話の中で語ってきたから、っていう理由もあると思います。

父親に裏切られた子供であるユーリさんが、父親かつヒーローである虎徹さんを信じて助けてくれる、という構図はドラマティックだと思います!

 

タイバニ21話のルナティックさんが本当にかっこよかったので、メットオフのイラストを描きました!アニメの美しい所作をぜひ見てみてください…

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タイバニ21話 メットオフしたルナティック

ダークヒーローとして活躍する推しを見ることができて、ユーリ・ペトロフ推しで本当に良かった…と感動した回でした…

お酒は絶対に飲まないしタバコも多分吸ってないし紅茶を嗜むくらい…というストイックな生活をしてるユーリ・ペトロフがルナティックを名乗って内なる狂気を発散させているのがホント〜に好きで、あの仮面の奥に彼がいるということがすごく蠱惑的だなあという絵です。メットオフめっちゃ描きたいです

22話

スカイハイさんの目玉焼きの食べ方がかわいかったです!!!楓ちゃんがキーパーソンになりましたね…!虎徹さんのことが好きなブルーローズちゃんがちゃんと覚えてたのが好きです。バーナビーくんは虎徹さんのことをどうやったら思い出せるんでしょうか…?

 

23話

みんなの顔が良い回だった…虎徹さんの涙やハグは、強がっちゃう彼がやっとバーナビーくんに素直に気持ちを伝えられた感じがしてよかったです…「え!?泣いてるんですか!?」がかなりびっくりしてる声でとても良かったです…ロトワングさんはマーベリックさんと思想が合ってない気がするぞ!

一緒に見てた人が「バディって最初は最悪の出会いをするものだよね…」て呟いてて、なるほどなあって思いました 相性最悪だと思ってた相手と、紆余曲折を経て分かり合えるようになって、背中を預けられるようになるところにドラマが生まれるんだなあ

 

24話

あの状況で全滅するよりかは誰かが残るべきだと合理的な判断ができるスカイハイさんが好きなんですよ…キングオブヒーローだからこその責任感で…虎徹さん!!!

なんで大切なことを相談してくれないんですか!!!バーナビーくんの前で命を落とすのはトラウマの再演って感じで辛いです…

長らく復讐のために生きてきて、ワーカホリックだったバーナビーくんが、虎徹さんのために炒飯を練習する」という営みを通して私生活を充実させ始めていたっていうのが、どれだけ大きなことか考えて胸が痛くなりました 虎徹さんを抱えるシーンはミケランジェロピエタみたいで悲しくも美しいです…

(偽虎徹さんに思わぬ反撃をされて驚いて目の炎が消えたルナティックさんや肩を痛めてしまったユーリ・ペトロフ人間くさくてかわいかったです…名探偵!アップの目元が相変わらず綺麗です 生物に有効な能力だけど、機械にタナトスの声は聞こえないのかもね…って一緒に見てた人が言ってました)

次の回を見るのがハチャメチャに怖いです どんどん日は落ちて夜になっているし、おそらくルナティックさんはマーベリックさんを狩りに行くけど、彼にこれ以上罪を重ねてほしくない…そしてマーベリックさんに引導を渡したいのはバーナビーくんだけど、バーナビーくんにも人の命を奪ってほしくなくて…

 

25話

ユーリ・ペトロフが笑った……………………………

 

自分はユーリ・ペトロフという人間がこの先穏やかな笑みを浮かべる日は二度と来ないのではないかと本当に思っていて、だから自分が彼の絵を描くにしてもそういう笑顔は描けないかなあって思ってたんですけど、作中で彼がああやって穏やかな笑みを浮かべてくれたことが、ものすごく幸せです…

今恐る恐る見直しているのですが、このときルナティックの服を着た状態のユーリ・ペトロフが、能力が減退してもなお「カッコ悪いヒーロー」としてあり続けたいと言った虎徹さんを見て微笑んでいることは、ユーリ・ペトロフの人生の呪いが解かれた瞬間の笑顔なんじゃないかなあって….

父の背中を半ば追うようにしてヒーロースーツを纏い夜を駆けるユーリ・ペトロフが、そのヒーロースーツを着た状態で父でありヒーローである虎徹さんを見て微笑んでるのが、本当に彼は呪いが解けつつあるんじゃないかなあって…あんな笑顔で少年の頃テレビの父を見てたんじゃないかなあって…思って…

最後の彼のデスクトップの月が赤くないのは狂気ではなく本心からの笑みであることを表してると思います

シュテルンビルトの夜空に赤い月が昇ることを「確定演出」と呼んでいるので最終回でブチ上がってしまった…

マーベリックさんを仕留める時の赤い月のルナティックさんも本当に美しいです。顔の前でかざした手が燃え盛っていて、そこからあの憤怒の表情の仮面が現れるのが、手の動きが、美しい…

マーベリックさんは最後まで隙がない人物で、悪役の造形として良いなと思いました。彼が指名したアニエスさんの視聴率至上主義が結局彼を追い詰めたことや、用意した舞台の上で演じさせていたと思ったら「演じられていた」ことは最高の皮肉だと思います。アニエスさんも強すぎるよ!

イワンくんがエドワードくんと面会に行ってたシーンで心が温かくなりました。カリーナちゃんも夢が叶ってるし、パオリンちゃんがかわいい!!!バーナビーくんも気持ちの整理がついてよかったです。でも寒空の下でどこか寂しそうにも見えたので、虎徹さんが戻ってきてくれたのが本当に良かったです…

サマンサおばさんは帰らぬ人になってしまって、バーナビーくんは孤立してしまいましたね…気持ちの整理がついたことは大きな前進だけど、彼の場面が他のヒーローと比べて色が冷たかったことも見過ごせない演出だと思います。(ユーリさんの場面も冷たい色でした…)彼らがまた出会ってくれてよかった!

お姫様抱っこの状態で虎徹さんが「いいだろ?一人くらいカッコ悪いヒーローがいたって」って言ったのが本当に感慨深い場面で…カッコ悪い自分を受け容れられなかったレジェンドや、他人を頼ることができなかった虎徹さんの抱える呪いを虎徹さん自身が解いて、弱さを受け入れると決めた、最高の場面で…

改めて見比べてたんですけど、1話ではバーナビーくんは虎徹さんを放り投げてるけど、25話で虎徹さんは支えられている自分を受け入れてるし、バーナビーくんもそんな彼を相棒として認めてそっと下ろしてるふうに見えます。25話で彼らは新しい関係のもとに出会い直したんだなあって…

 

完走した感想

そんなわけでタイバニ完走しました!!!見守ってくださったフォロワーさん、ありがとうございました。最高のヒーローたちの物語でした!じっくり噛み締めます…

Risingの予告見てえっ!?!?てめっちゃなってるけど冷静になって寝ます 明日の生活が…脅かされてしまうので!

「それぞれの正義」じゃなくて「それぞれの守るモノ」でルナティックさんが出てくるのヴワ゛〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!になった

こんなに気になる最終回の続きを10年間待たれたタイバニファンの方々に深い尊敬の念を抱いてしまう……こんな新作が来るタイミングに見てしまって畏れ多い……

最終話の微笑んでいるユーリ・ペトロフは本当に自分が見た幻覚ではないのか?本当に現実なのか?と信じられない気持ちでなかなか眠れなかった…

 

そんなわけで、タイバニ1期をアニメ本編だけですが完走しました!ヒーローたちへの愛を込めて、みんなにコメントを寄せてみました。

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ユーリ・ペトロフに出会えたことに感謝をこめて。

画像

(pixivに投稿したらリンクを貼っておきます。)

おまけ

タイバニを完走してユーリ・ペトロフの微笑みに泣いた翌日に、初めてネタバレを解禁して視界に入れたのがルナティックさんのアイマスクなの、本当におかしくてどうにかなっちゃいそう

ルナティックを布教された人のTIGER&BUNNY 1クール目感想まとめ

※見ていた当初の感想を、誤字脱字を訂正した以外にはそのままにしてまとめています。そのため、勘違いや的外れの予想が含まれます。設定資料集などの内容と矛盾するものもあると思います。ご了承のうえで、楽しく読んでいただければ幸いです。

 

 

1話

ルナティックさんを布教されて見ることになりました!虎徹さんの人情が商業主義的なヒーローの世界と合わなくて辛そうです。社会人の葛藤を感じる世知辛い世界観…みんなかっこいい!ロックバイソンさんの不器用さや折紙サイクロンの影の薄さにも惹かれます…

 

2話

バーナビーくんはいけすかない感じですが、名前にこだわるあたり家族に何かありそうです。敵を倒して人気になるだけがヒーローじゃないんですよね…!少年がちゃんと警察に渡されるシーンがあるところにリアリティがあって良いなって思いました。差別もあるのがつらい…

X-MENを見てからだと、特殊能力を持つ人が差別を受けるという問題を痛感します…。虎徹さんは娘にヒーローであることを隠したいんですね。心配されるもんね…

人命救助より犯人確保にポイントが高くつけられるのが嫌な制度だし、それでも助けるスカイハイさんがかっこいいなあ

 

3話

アルバート・マーベリック氏がバーナビーくんと関わってるみたいですね!バーナビーくんの人当たりの良さ、世渡りのうまさ、リアリストなところは本人の性格もあるけど、苦労してきた経験が窺える気もします。スカイハイさんは天然でかわいい。結構治安悪いですね…

虎徹さんの勘の良さが発揮されていて、お互いの凸凹がいい感じに補われてましたね!2人はシュミレーションが嫌いだったり、強引に解決したりとなんどかんだ根底では似てるんだなと感じる面白い回でした。バーナビーくんの抱える孤独とは何か、気になります…

 

4話

カリーナちゃんには女子高生としての生活や夢があるのに、生まれ持った能力とそれに伴う期待に振り回されるのは辛いなって思いました。でも虎徹さんがちゃんと気持ちに寄り添って謝りに来てくれたところや、彼女もヒーローにやり甲斐を感じていると分かったのがよかったです。

虎徹さんやカリーナちゃんのお父さんは本当に彼女のことが心配なんだと思います。歌にもあったけど、「期待されると応えちゃう」っていう彼女の生真面目さが、商業主義的ヒーロー像や自己犠牲的な生活への葛藤に繋がってるのかもなと思うと、守りたいってなる…。

タイバニは仕事の理想と現実の葛藤を描くのが本当にうまいと思います。虎徹さんにとってヒーローは憧れの仕事だけど、カリーナちゃんにとっては夢を叶えるための仕事。彼女はヒーローもまた自己実現だと受け入れるけど、商業化されたヒーロー像に悩む人は多いはず…。

5話

バーナビーくんは孤独を感じていると思うけど、周囲から好かれているのがわかるいい回でした。ヒーローたちは仲が良いし、スカイハイが純粋でいいやつで本当に好きです…虎徹さんの中のバーナビー像はちょっとまだ怪しいけど、2人のバディとしての絆は深まっている気がします。ラストが不穏…。

 

6話

悪人であっても死を悼むことができる虎徹さんと、家族を亡くし悪人を憎むようになったバーナビー君の対比が印象的でした。バーナビー君のPTSDが本当に心配です…1人にしないであげてほしい…ぐっとシリアスになりました 。高所から落とされる火の槍は神の裁きみたいでゾッとします…。

ファイヤーエンブレムさんが好きなので、彼がキュートでよかったです。彼の炎と違って黒幕の炎は青色でしたが、青の炎の方が温度が高いらしくて、強敵の予感がします。ウロボロスの組織の人ではなさそう…?黒幕の人が狙うのは犯罪者ですが、真意が気になります…。

ルナティックさんという名前の悪役が存在していると布教された上で見ているので、赤い月も彼のモチーフなのかなあと思いました 宗教的な意味を含む槍といえばロンギヌスの槍とかかな…?高所から見下す姿はどこか悪人への強い侮蔑が含まれているふうにも見えました 楽しみ〜!

(※ルナティックさんの武器はおそらくクロスボウで、槍と言うより矢に近いと思うのですが、見た当初の感想のままにしておきました。)

 

7話

親である虎徹さんと子供の頃のトラウマが癒えないバーナビーくんが対照的でした。仕事に私情は持ち込まないけれども、2人の姿からお互いを尊重しあっているのがわかってよかったです チャリティーショーのシーンは「ショー」であるテレビの皮肉なのかも。少年の問いも黒幕に重なります…。

ルナティックさんがテレビに合わせて妨害したり「ショーは終わりかい?」って煽っているあたり、マスメディアのことを皮肉ってる感じがしました。彼がエンターテイナーらしく振る舞うのは、視聴者が喜ぶ過激な画を撮ろうとするディレクターへの嫌味なのかもしれません。

彼が使うクロスボウは狩猟で用いられる武器らしいので、狙う相手のことを下等生物だと見下してるのかなと思いました。殴りかかるバーナビーくんと背中合わせになるのが怖いです。彼が最後に立つ女神像はジャスティスタワーらしくて、ルナティックさんによく似合うと思いました

ルナティックさんが悪人の命を奪うのに対して、虎徹さんたちが犯罪グループの人たちの人命救助を行うのがすごく対照的でよかったです。

ルナティックさんはヒーローたちを「偽りの正義」と見なし、自分の正義で動くと言っているけれど、彼は社会で裁けない悪に強く憤り悲しんでるのかも…?

 

8話

序盤のヒーローの慈善活動のシーンがすごくグッときました。イワンくんがあのときどうしたらよかったかはわからないけど、自分に責任を感じていることやヒーローを頑張ってることが彼の良さだと思います。罪人を決して許さないルナティックさんの姿は、殺人への強い憤りを感じました。

虎徹さんはエドワードと同じ混沌・善というか、お人好しでルールを破ってでも人を守ろうとするタイプだと思うけれど、決して虎徹さんは発砲することはないんだと思います。自分の命を狙われて引き金を引くエドワードと、彼のためなら死んでもいいイワンくんは決定的に違うのだと思います。

イワンくんやバーナビーくん(やルナティックさん?)は秩序属性だと思います。私はイワンくんが悪いとは思わないけど、同じ立場ならすごく辛く感じると思います…。ルナティックさんは自ら法を破って悪人を斃すことを正義と呼ぶけれど、厳格なルールで動いてる人ですよね。自らが殺人者という矛盾をどう思うのかな

ルナティックさんは大切な人を犯罪によって奪われた人だろうと察せられます。彼がジャスティスタワーの上に立つのも、正義を名乗るのも、この街のマスメディアに操られるヒーローや法の限界に絶望したからなのかもしれません。自分が全てを背負って社会を正さねばならないと思ってるのなら、悲しいなあ…

 

雑感

シュテルンビルトが階層構造になっているのを知ってビックリしました。

手段はともかく「殺人を許さない」という思想のルナティックさんが「狂気」を名乗り、司法局やマスメディアと結びついたヒーローが「正義」なのは、なんだか皮肉めいた構図だなって思いました…。

ボンヤリと過去の話を思い出してたんですけど、「死刑制度がない」という話が司法局?の会議で出てきてました 個人的にルナティックさんは育ちも良さそうだし、背中合わせのバーナビーくんと似た過去がありそうなんですけど、「死刑制度がない」ことが彼のルーツに関わるのかな…?と思います…。

 

9話

親の立場を経験することで親の気持ちをわかる、という物語としては良かったと思うんですけど、ボーイッシュなドラゴンキッドちゃんのアイデンティティの物語としては、ちょっと物足りない気がしました 。あくまで今回は親子の話だし、女の子らしさやジェンダーの話はまた新作でやってくれるかな…?

虎徹さんとバーナビーくんの間に信頼関係が着々と築かれていて良かったです。バーナビーくんもお酒飲んで泥酔するんですね…。彼のPTSDがかなり心配です。

ドラゴンキッドちゃんがかっこよくて好きです…。家族を大切に思う彼女の気持ちはとても素敵で大好きだけれど、自分らしくないと思うものは、親からもらっても無理につけなくてもいいんだよって思いました。

 

10話

せっかくの有給が大変なことになってしまいました…。普段は人命優先のヒーローが全力で戦うアツい回でした。スカイハイさん強すぎだよ!折紙くんも活躍してて嬉しい!敵の能力も強力だし、お姉さんがファッショナブルで気になります。

バーナビーくんが休んでないのが辛い…。

スパイダーマンバットマンのリスペクトを感じました。静観してたユーリさんが、囚人の解放の話になると急に険しい顔になるのが彼らしかったです。ウロボロスと彼は無関係だし、囚人の解放は彼にとって許せないですよね…。

 

11話

バーナビーくんの焦燥が伝わってきました。PTSDの彼をテロに屈しない精神の象徴として用いることは、彼を傷つけるのではないかと不安です…。ジェイクの能力の強力さに驚きました。イワンくん大ピンチで悲鳴上げました…。上層部の判断の遅さがじれったいです。ユーリさんがイラついてそうですね…。

 

12話

虎徹さんはバーナビーくんのことを心配してあの行動に出たけれど、それが信頼していないことの証だと受け取られて決裂してしまうのが辛いです。バディがいない今、どうなるのか…!

ジェイクは「聞こえている」ってうっかり言ってしまったり、攻撃が当たると動揺したり、弱さが出てきましたね!

ジェイクはおそらく心の声を聞く能力も持っていると思うんですけど、先天的であれ後天的であれ差別の蔓延した社会でその能力を持つネクストとして生きるのも過酷だったのかなあと思ったりしました。彼は全く許せないしかなり不快感を煽るキャラクター設定だと思うけれど、被害者の側面もあるのかもしれません。あとスカイハイさんほんとにいい人ですね…。

 

13話

大勝利~!2人の信頼が生んだ勝利ですね!バーナビーくんも心を開いてくれましたね!ジェイクの最後は蜘蛛の糸カンダタみたいに惨めな感じでした…。でもなんでバーナビーくんが狙われたのかがわからないのが理不尽で辛いです。情報が秘匿されていたのも謎ですもんね…。女子会トリオが最強でよかったです!!

ユーリさんの作画が良すぎてめっちゃ見返してしまいました。

名前からしてロシア系っぽいから、ハチミツを紅茶?に入れるのもロシアンティー的な飲み方なのかな…?甘党なのが萌えですね!髪とスーツが乱れていたのは出動する気満々だったからなんですか!?教えてください!セクシー!!!

髪を結っているシュシュを解いて、着ていたジャケットを脱いで、第1ボタンも開けて、やたらよれよれのシャツと乱れた髪で紅茶にドバドバハチミツを入れながら「やはり悪は滅びる運命か…」て言ってるユーリ・ペトロフさん、情報量と萌えが多すぎて狂いました。ホントに正義の人なんだなあ。LOVE…。

あの着崩したユーリさんって、バトルを見てて盛り上がってアツくなって脱いでしまった(?)のか、ルナティックで出動する気満々で準備してたのか、どっちなのかメチャクチャメチャクチャ気になります。でもハチミツをダバダバ入れてるってことは集中して見てて糖分が欲しくなったんですかね…?狂う…。

気持ちがハチャメチャになって言い忘れてたんですけど、ファイヤーエンブレムさんがぬいぐるみを結構かわいがったり抱き上げたりしてたのが、かわいかったです…。

マーベリックさんの目にハイライトがないシーンがあったのがちょっと気になりました。まだ黒幕は全部出揃ってないので、ドキドキします。

ユーリ・ペトロフさんの時は大体お勤めだと仏頂面、あとは不敵な笑顔…って感じなんですけど、ルナティックのスーツには笑顔とも怒りとも取れる表情が貼り付いてるのが興味深いです メットオフしたときにあんまり楽しそうな表情じゃなかったから、愉悦のために活動してるわけじゃなさそう…つらい…。

 

 

9話アレコレ(肯定的な感想だけではないので閲覧非推奨です)

ドラゴンキッドちゃんもといホァン・パオリンちゃんが抱えるジェンダー的な違和感が、「母性」や「親子の愛」でかき消されてしまうのが、自分としては悲しかったです 女性がみんな子育てに向いてるわけでもないし ジェンダー規範の中に落ち着くことをめでたしめでたしにするのは苦手かも

タイバニは2011年の作品だし、10年前だと思うと、当時の社会じゃヒーローのグループの中に様々な人種やドラァグクイーン的なキャラクターがいることはかなり革新的だったと思う だから2期でジェンダーや国籍の問題を飛び越えて行ってほしいなあって…

アベンジャーズでさえも初期は人種の偏りがあったし、今それを正そうとしてるところなので、10年前に既に多様な人種のヒーローを描いていたタイバニの制作陣の方ならアップデートした続編を作れるんじゃないかなあって思います 新作楽しみにしてます!!!

タイバニ16話感想 ユーリ・ペトロフという熾烈な人

この文章には、虐待とアルコール依存症の詳細な描写、および個人的体験に基づく主観的な憶測が含まれています。以上の表現を求めない場合の閲覧を推奨しません。辛い思い出のある方は、読む際に無理をなさらないでください。また、アルコール依存症や飲酒にまつわる正確な情報は、末尾に掲載した厚生労働省のサイトをご参照ください。

 

ユーリ・ペトロフというキャラクターが大好きな自分にとって、タイバニ16話は衝撃的で、見た後に数日間体調を崩してしまいました。彼の体験は自分の体験と重なる部分も少しあったので、大変主観的な内容なのですが書かせていただきました。

ユーリ・ペトロフの姿について

タイバニを見始めたころは、彼の外見から中性的な印象を受けていて、その雰囲気がとても素敵だと感じていました。顔にかかる前髪やリボンで結われた長髪、暗い色の唇はミステリアスな感じがしますし、紅茶やコーヒーを愛飲するすらっとした立ち姿が儚げに感じられました。

ただ、16話を見たことで、彼の中性的な外見は、先天的なものというよりも意図的に彼が男性性を避けるために選んだものではないかと考えるようになりました。まず、彼は火傷を隠すためにメイクをしています。左右非対称の長い前髪は火傷を隠すためのものです。ただ、彼が長髪で痩身で中性的な(女性的な)見た目をしているのは、父親のようになっていく自分を見たくなかったからという理由がかなり強いと考えています。

痩身なのは、恰幅の良い(もしかしたら、過度な飲酒による肥満なのかもしれません)父親とは真逆の姿です。長髪であるのも同様に、髪を切ると父親のようになってしまうことへの恐怖があると思います。紅茶やコーヒーを愛飲しているのは、アルコール依存症の父親が嗜んでいた酒への強い忌避もあるかもしれません。(16話で彼に優しく話しかける父親がティーカップを持っていることから、父親へ捨てきれない思いもあるのかもしれません)

彼は父親の「悪を懲らしめる強い男になるんだ、それでこそパパの息子だ」という言葉を大切に胸に抱いていたからこそ、父親に立ち向かい、事件(事故)は起きてしまいます。ルナティックとしての活動の根底にあるのは「強い男にならなきゃ(パパの息子にふさわしくない)」という強迫観念です。一方で、「強い男」であり続けようとして弱者である妻に暴力を振るった父親を許せないため、「男らしさ」を忌避した格好をユーリ・ペトロフは選択していると私は考えます。「男らしくありたい」と「男らしくなりたくない」の二つの感情の間で揺れ動く彼の姿は、彼の外見にも非常によく表れているのではないでしょうか。

彼は徹底して自分が憎む父親の姿を避けるようにして生きています。一方で、ルナティックのデザインは父親につけられた手形がモチーフになっています。そもそもNEXTの能力を行使して悪人を懲らしめるという行いそのものが父親であるレジェンドの姿をなぞっています。父親を憎悪しながらも執着し、父親の生き方を再演してしまう彼の葛藤は、後述するようにアルコール依存症患者の家族の姿の一つの形として、非常にリアリティがあると私は感じています。

 

アルコール依存症について

 ヒーロー界の伝説であるレジェンドが家庭では家族に暴力を振るい、仕事においては不正を行っていたというニュースは虎徹さんにとっても、視聴者にとっても非常にショッキングなものでした。神話となっていたレジェンド像の解体は、同時に虎徹さんにとっての「夢」であったレジェンドの姿が老いていく虎徹さんに重なっていくことも意味しました。

 レジェンドは能力の減退に伴い、仕事で思うように結果が出せず、過剰な飲酒に耽るようになりました。私はこの状態をアルコール依存症であると定義して文章を書いていますが、この解釈が必ずしも正しいとは思っておりません。しかしながら、アルコール依存症家庭内暴力には強い関係がある場合が多いです。

 アダルトチルドレンという言葉は、現在では「機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人」を指しますが、元来は「親がアルコール依存症の家庭で育って成人した人」を指す、「adult children of alcoholics」の略語です。(出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』)この言葉の成り立ちから分かるように、親がアルコール依存症である家庭環境は、時に子供の成長に悪影響を及ぼすことがあります。また、アルコール依存症患者においては一般人口に比較し暴力問題が頻繁にみられ」家庭内暴力児童虐待と飲酒は切り離すことのできない問題です。(出典:飲酒と暴力 | e-ヘルスネット(厚生労働省)< https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-06-005.html>)

 以下は個人的な体験・知見に基づく主観的な意見なのですが、アルコール依存症の親がいる家庭の子どもは、酔っていないとき(あるいはそこまで酩酊していないとき)の「まとも」な親の姿と、酔ったり酒を求めたりするときの「まともでない」親の姿との間で葛藤する場合があります。「本当はこんな人じゃないと信じたい」と、「こんなひどいことをする人を親と思いたくない」の板挟みになって、親を信じるべきか信じないべきか、激しく苦悩します。親を信じないで生きることは子供には難しいので、信じるたびに裏切られる経験が積み重なります。

 これは憶測にすぎないのですが、ユーリ・ペトロフが父親を憎悪する一方で幻覚を見るほどに執着しているのは、以上のような体験があったからかもしれません。彼は幼い頃にテレビで見た、活躍している父親の姿を本当に愛していたと思います。だからこそ、正義のヒーローである父がDVをすることを受け容れられず、今も憎み切れていないのではないでしょうか。彼にとって父親は許せない存在であると同時に憧れだったのだと思います。その葛藤が彼をルナティックの姿で月夜に駆り出させるのではないでしょうか。

 アルコール依存症であったレジェンドが、今でもバーの衣装やバーで提供されるボトルのラベルに姿を残していることは、非常に皮肉であると思います。

 

家族について

 ユーリ・ペトロフ「ヤングケアラー」という現在の社会問題も同時に背負っています。彼の母親は暴力を受けながらも夫のことを(おそらく息子のこと以上に)愛しており、幻覚を見ては暴言を吐く彼女を、彼は大人になった今も同居しながら介護しています。父親を失ったのは彼が少年の頃ですので、彼は幼少期から母親を一人で介護していたものと考えられます。(これに関して、設定資料集等で介護サービスへの言及があると耳に挟んだので注釈を入れさせていただきます。確認でき次第追記します。)

 彼は幼少期に暴力を諫めようとして父親に「パパ」と呼びかけていますが、現在、父親は「あんた」と呼ぶ一方で母親のことを「ママ」と呼んでいます。幼少期の頃から親の呼び方が変わらない方ももちろんいますし、私もそうなのですが、彼の場合にこの呼び方は幼少期から時間が動いていないことの象徴であると思います。彼は父親によって面前DV(心理的虐待)を受け、後年は母親の介護をし続け、永遠に「子供」の立場で家族から搾取されています。彼は責任を感じているので母親を疎ましく思いながらも捨てることができません。しかしながら、本当は福祉や行政が介入すべき事案であると私は思います…。

 また、「悪を許さない」という強い覚悟において、バーナビー・ブルックスJr.とユーリ・ペトロフは共通しており、二人は対照的な存在です。「幼少期に親からの愛情を充分に受けることができなかった」という点、そして火事がトラウマである点で、二人は同じです。しかしながらバーナビーくんにとっての家族は美しい思い出のままで、ユーリ・ペトロフにとっての家族は永遠に苦々しい記憶です。そして何よりも、二人の決定的な違いは心を開くことができるバディに出会えたか否かではないでしょうか。

ユーリ・ペトロフの信念について

当初はルナティックが殺人者を追う理由として、事件によって家族を亡くしたからだと解釈していました。しかし、実際は彼自身の手で(能力の発現による事故だとも思うのですが)父親の命を奪ってしまいました。ルナティックが殺人者の命を奪う理由は、殺人者を自分と同類であると考え、自己を罰する延長線上で他者を罰したいと考えているからかもしれません。ルナティックの活動の原点である感情は、フロイト的なタナトス(死へ向かう欲望)や自殺願望なのではないでしょうか。一度人を殺めてしまったからには引き返すことができず、永遠に罪を重ねることでしか自分を許せなくなったのではないでしょうか。(キャラソンの「タナトスの声を聞け」は、「自分こそが殺人者である」という自己矛盾に悩む姿や自罰感情がよく表れています。)

8話でエドワードをかばったイワンに対し、殺人者を庇う者も同罪であるとしてルナティックは攻撃します。殺人者を庇う者を憎む背景には、暴力を振るう父親を今も庇い続ける母親への怒りや失望があるのかもしれません。

 ただ、彼が母親へ抱いている感情は失望以外もあると考えています。Twitterの再掲になってしまうのですが、女性を狙った連続殺人犯を16話でルナティックが仕留めるのは、立場が弱い女性の母親に暴力を振るった父親への怒りであり、その母親を助けられなかったことへの彼なりの償いなのかもしれないと思いました。だからこの回で裁かれる犯罪者としてものすごく意味のある描写だったと思います。

 レジェンドの姿は、八百長も含めてテレビやマスメディアが作り上げた幻想でした。幻想の裏側である家庭で苦しんだ彼だからこそ、テレビを嫌い、時にカメラへ向かって挑発的な態度を取るのでしょうか。彼が司法局に勤務しているのは、凶悪犯の情報収集が主でしょうが、ヒーローの不正な取引が行われないように見張る目的もあるかもしれません。

 一方で、彼は「正義」やヒーローに強くこだわり、「やはり悪は滅びる宿命だ」と呟く一面もあります。それは、自分が引き起こした事件の正当化のために「正義」を信じたいという心情もあるでしょうが、幼い頃にテレビで見たレジェンドの姿を今でも愛しているのだと思います。「やはり悪は滅びる宿命だ」「ヒーローを信じることができてよかった」という安堵も含まれます。その安堵は、自分を裏切り続けた父親との安らかな思い出を否定せずに済んだ安堵なのではないでしょうか。

「司法が裁けない悪」とは何か

 「司法が裁けない悪」を裁くルナティックが、本当に裁いてほしいと願っていたものとは、何だったのでしょうか。「司法が裁けない悪」とは、殺人者ではなく、社会によって覆い隠された家庭内暴力だったと考えることもできると思います。家庭の問題は家庭で解決することが求められ、介護や暴力や虐待の問題に苦しむ声が社会に聞き取られないという状況は、残念ながら今の社会にも根強く残っています。彼の家庭が早くに福祉に繋がることができていれば、ルナティックは生まれずに済んだのかもしれません。

 

おわりに

 TIGER&BUNNYが掲げる倫理とは、虎徹さんが8話で「俺の正義はな、お前みたいなバカを捕まえることだ!」と宣言したように、犯罪者は法による裁きを受けるべきであって私刑や死によって償われるべきではない、というものだと思います。2話で能力を暴走させた少年が警察に引き渡される場面が私は好きなのですが、同様にルナティックの罪も死ぬことによって償わせる展開にはならないのではないかと考えています。

 ユーリ・ペトロフとルナティックは、様々な社会問題やシュテルビルトの構造がもたらす歪みを映し出す鏡のような人物です。彼は強くて美しい魅力的なヴィランでありながらも、苦しみながら生きる一人の人間です。月夜に戦うルナティックと、太陽の照り付ける日に悲劇が起きた少年のユーリ・ペトロフは残酷なコントラストとして網膜に焼き付きます。その熾烈な生き方が、目を惹きつけて止みません。彼が思い悩み戦い生きていく様を、これからも見届けたいと思っています。タイバニ2期、楽しみです!

そして、様々な家庭問題で悩んでいる方が、適切な福祉や医療のサポートに繋がることができるよう、心より祈っております。

 

 私は彼が父親の姿の溢れる残酷なシュテルンビルトを去り、自分を憎む母親の世話を誰かに預けて彼女から離れ、穏やかな片田舎で一人静かに暮らせるような未来があればいいなと、勝手ながら願っています。

 

<参考資料>

アルコール健康障害対策|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000176279.html

飲酒と暴力 | e-ヘルスネット(厚生労働省

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-06-005.html>

酔うと化け物になる父がつらい #1 | 菊池真理子 (mangacross.jp)

 

Twitter:雑多垢:@kokage_M78 タイバニ垢@kokage_ta1ba2

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